水で溶ける絵の具なら、どれでも同じように描けると思っていませんか。水彩絵の具は、紙の白さを生かしたいのか、色を重ねて形を描き直したいのかで選ぶものが変わります。セットの豪華さより、描きたい絵と商品の性質が合うことが大切です。公式の技術解説をもとに、買う前の確認点を整理します。
水彩絵の具選びでよくある失敗3選
透明水彩を濃く塗ればガッシュになると思う
ホルベインは、透明水彩を薄めず使っても不透明水彩の代わりにはならないと説明しています。透明水彩は水を加えた薄い層で使う設計です。紙の白を生かす表現と、白い絵の具を使って明るい部分を描く表現では、準備する絵の具も変わります。商品名の「水彩」だけで判断しないことが出発点です。
色数だけを見て買い足し方法を調べない
セットの色数が多くても、使いたい色が足りなければ買い足す必要があります。購入前に色名や色番号が確認できるか、単色販売があるかを見ましょう。最初は描きたい題材を一つ決め、その題材で使う色を並べて考えると、箱の大きさに引っ張られずに選べます。
透明性や耐光性の記号を読み飛ばす
ホルベインの記号案内では、透明性、耐光性、紙への染みつきやすさなどを区別しています。同じシリーズでも色ごとに性質があるため、名前や見本の色だけでは判断できない部分があります。記号はそのメーカーの説明と照合し、別メーカーの印を同じ基準だと決めつけないようにします。
失敗しない水彩絵の具の選び方
水彩絵の具に、誰にでも適した色数や一律の性能値はありません。表の数値・表示欄は、商品ごとに読み取る項目です。公式の記号説明を開ける状態で比較すると、見た目が似た色の違いも調べられます。
| チェック項目 | 見るべき数値・表示 | 理由 |
|---|---|---|
| セット内容 | 色数・容量・色番号 | 必要な色の補充方法を確認する |
| 透明性 | 透明・半透明・不透明などの表示 | 下の色を生かすか覆うか考える |
| 耐光性 | 各色の記号とメーカーの凡例 | 光による変化の評価を確認する |
描き始めたら、作品とは別の紙に色見本を作り、色名を添えて残すと便利です。水の量や使う紙も書いておけば、次に似た表現をしたいときの手がかりになります。画面上の見本と手元の発色を同一視せず、自分の道具で確かめた記録を増やしましょう。
用途別に選ぶ水彩絵の具の3タイプ
淡い重ね塗りを楽しむ透明水彩タイプ
紙の白さを残し、薄い色を重ねる描き方を試したい人の候補です。初めに大きなセットをそろえるか迷うなら、単色を追加できるシリーズかを確認します。色見本を作りながら、よく使う色から補充する方法もあります。
白を使って描き直したいガッシュタイプ
不透明水彩のガッシュは、白を使って形や明るさを描き直す表現に向いています。ホルベインの講座でも、その違いが解説されています。透明水彩の失敗を隠すために選ぶのではなく、描きたい表現として選ぶと目的が明確になります。
性質を比べて学びたい表示充実タイプ
各色の透明性や染みつきやすさを確認できるシリーズは、違いを観察したい人の候補です。記号が多いほど自動的に優秀という意味ではありません。調べたい性質の説明があり、自分が読み取れることを重視してください。
よくある質問
透明水彩は全色が同じ透明度ですか?
同じではありません。ホルベインの透明水彩の案内でも透明から不透明まで区分があります。シリーズ名と、個々の色の透明性表示は分けて確認しましょう。
水で洗えば紙の色は完全に抜けますか?
完全に戻るとは限りません。公式案内では染みつきやすさに違いがあり、紙や濃度などでも変わると説明されています。色抜きを使いたい場合は、作品に使う紙で先に試します。
耐光性が高ければ変色しませんか?
記号だけで、あらゆる展示条件における変化を否定することはできません。メーカーの評価区分として読み、作品をどこに飾るかと合わせて考えましょう。全色をまとめて同じ評価に扱わないことも大切です。
公式出典:ホルベイン:透明水彩を不透明水彩として使えるか/ホルベイン:水彩絵具の記号の見方/ホルベイン:不透明水彩〈ガッシュ〉集中講座

コメント